
「Rivers of Babylon」は、ジャマイカ出身のレゲエグループ、Boney M.によって1978年にリリースされた楽曲です。オリジナルは、ユダヤ人によるバビロニア捕囚を歌った聖書の歌謡曲「バビロニアの河川」にインスパイアされていますが、Boney M.版はディスコとレゲエの要素を取り入れ、独自の解釈を加えて再構築しました。メロウでゆったりとしたメロディーラインと力強いメッセージ性が融合し、世界中で大ヒットを記録したこの曲は、現在でも多くの人々に愛され続けています。
Boney M. とは?
Boney M.は、1970年代後半にドイツで結成された国際色豊かな音楽グループです。プロデューサーのフランク・ファリアンが中心となり、4人のボーカリスト(ラッツィン・スミット、リズ・ミッチェル、メイシー・ウィリアムズ、ボブ・マレー)から構成されていました。彼らは、ディスコ、ポップ、レゲエといった様々なジャンルを取り入れた楽曲で、世界中に熱狂的なファンを獲得しました。「Rivers of Babylon」をはじめ、「Daddy Cool」、「Sunny」など、数々のヒット曲を送り出し、音楽史に名を刻んでいます。
メンバー | 国籍 | 専門 |
---|---|---|
ラッツィン・スミット | ドイツ | リードボーカル |
リズ・ミッチェル | ドイツ | バックボーカル |
メイシー・ウィリアムズ | モントセラト | バックボーカル |
ボブ・マレー | ドイツ | バックボーカル |
「Rivers of Babylon」の音楽性
この楽曲は、ゆったりとしたテンポとメロウなメロディーラインが特徴です。イントロには、アコースティックギターの音色が響き渡り、すぐにシンセサイザーのコードが加わって、レゲエらしいリズム感が生まれます。ボーカル陣のハーモニーは美しく、力強くも優しい歌声が聴き手を惹きつけます。歌詞は、バビロニア捕囚を題材としているものの、当時の社会問題や人種差別に対するメッセージも込められています。
特に印象的なのは、サビ部分です。「By the rivers of Babylon, there we sat down, yea, we wept」という歌詞は、捕囚されたユダヤ人の悲しみと郷愁を表現しています。しかし、続く「When shall we sing Zion’s song in a strange land?」という歌詞には、故郷への希望が込められています。
レゲエの影響力
レゲエは、1960年代後半にジャマイカで誕生した音楽ジャンルです。その起源は、スカやロックステディといった前身ジャンルから派生したと言われています。特徴としては、シンコペーションを取り入れたリズム、重低音のベースライン、社会問題をテーマにした歌詞などが挙げられます。
「Rivers of Babylon」は、レゲエというジャンルを世界に広めた功績もあると言えるでしょう。Boney M.がレゲエを取り入れたことで、多くのリスナーがレゲエに触れる機会を得ました。
聴くポイント
「Rivers of Babylon」を聴く際には、以下の点に注目してみてください。
- メロウでゆったりとしたメロディーラインと、力強いボーカルのハーモニー
- レゲエらしいリズム感と重低音のベースライン
- バビロニア捕囚を題材とした歌詞の中にも込められた、故郷への希望や社会問題へのメッセージ
この曲は、単なるエンターテイメントではなく、聴き手の心を揺さぶり、考えさせる力を持つ楽曲です。レゲエの魅力と、Boney M.の音楽的な才能を存分に味わってください。